雑多な業務を多く抱えることで脳は成長する

一つの業務(知財の業務であれば、出願/調査/ライセンス/管理の何れか1つの業務)について実務を行うことで、その業務のプロになることができますが、それは小脳の自動化処理システムが構築されるからのようです。しかし「脳を育てる」という観点では、小脳システムに頼らずに、無理難題を押し付けられながらも様々な業務をこなした方がよさそうです。


TEXT BY SHIGERU KOBAYASHI


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ある業務に就いたばかりのときには勝手が分からず、一つ一つの作業に時間がかかってしまいますが、ある程度の期間に渡って、その業務を継続的にこなしていると、その業務に係る作業を比較的迅速且つ容易に処理することができるようになります。

そのカラクリは…反復継続的に行われた動作・思考が一つのパターンであることを脳が認識すると、その活動に関する記憶が小脳に保存され、小脳の自動化処理システムによって当該動作・思考を無意識に行うことができるようになるからのようです。

例えば、ブラインド・タッチが良い例です。繰り返し・繰り返しキーボードをタッチすることによって、1つ1つキーを確認しながら行う入力作業をブラインド・タッチに置き換えられるのは、小脳の自動化処理システムの働きによるもののようです。

このように、小脳の自動化処理システムに組み込まれた業務については、複数の処理を並列処理することができるようになり、いわゆるその業務のプロと言われるようになります

このことは、決められた仕事をこなすという意味では非常に効率的です。しかも、もしその業務を愛しているのであれば、この上なく幸せでしょう。

しかし、小脳の自動化処理システムに頼ってばかりいると、仕事の効率性を得るのとは引き換えに脳の発育が促されなくなり、クリエイティビティーを失うというデメリットがあるようです。

そして、より良いクレームをつくるためにはクリエイティビティーが必要なのだから、より良いクレームを作り続けたいのであれば、出願業務のみを行うより、特許調査も、訴訟対応も、出願管理も行い、時にはライセンス業務にも関わるというように、様々な業務を行った方がよさそうです。

そう考えると、上司から突然に無理難題を振られたり、雑多な業務であったり、慣れない業務であったりを任せられることは大変かもしれませんが、「脳の発育」ひいてはクレーム作成等のクリエイティブな仕事をするという意味では、雑多な業務も慣れない作業も「チャンス」であるとも言えます。



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