若い人・後輩には「心配ではなく信頼を」

特許業務の世界に毎年、新しい人・若い人が足を踏み入れてくれます。大学などを卒業して就職する人、ジョブチェンジする人など、新しい人たちが足を踏み入れてくれるから特許業務の世界は活性化されるから有難い限りです。そんな方たちに接するときは、「心配ではなく信頼」を配るのが良いと考えています。心配とは無用の長物だからです。



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特許業務の世界に限った話ではありませんが、新しい人・若い人に対して先輩は色々と伝えていかなければなりません。

その過程において、大先輩・上司が後輩・若手に仕事を任せるシーンもあると思います。そして、若い人に成長の機会を与えるには、色々なことを教えるとともに、現状のスキルでは少し難しいと思われる案件を思い切り任せてみるということも大切なようです。

そのとき、任せる側がどのような心持ちでいるのか。少なくとも心配の心は持たない方がいいのではないかと思っています。

心配とは、「物事を気にして心を悩ますこと」なので、心配している本人だけの問題のようにも思われますが、大概の場合には、気にした物事を当人の心の内に留めておくことはなく、心配を口に出すという行為が伴われます。

心配事が、それを聞く側に関係のないことであれば「大丈夫だよ」という言葉をかけることで問題は一時的解決を観るかもしれません。

しかし、心配事が、それを聞く側に関することであれば、心配事を抱えた本人は心配事を口に出すことで心が軽くなるかもしれない一方で、それを聞かされた側は、その心配を受け取ることになりかねません。差し詰め、心配とは、自分の心の不安を取り出して相手にそれを植え付けている行為であるという側面をもつと言えると思います。

このことは業務においても、よく遭遇することかもしれず。上司・先輩が、部下・後輩の業務の結果を心配するあまり、色々と口出しをすることで上司・先輩は安心するかもしれないけれども、言われた側の人間は一人ではうまくできないかもしれないと思う。

そんな経験が断続的に積み重なると、次第に自信を失い、潜在的に心配になる。相手もその心配を受け取らなければよいのだけれども、立場によっては、そう上手くできない人もいる。心配というは百害あって一利なし、無用の長物であると個人的には思っています。

人に任せるときは、これを上手くやってくれるだろうという期待でもなく、これを任せて本当に大丈夫だろうかという心配でもなく、これをもって成長してくれるだろうという信頼をもってするのが、若い人にとっても良いのではないかと思います、自戒を込めて。



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