特許出願書類で書くか否か迷ったときの一応の指針

特許請求の範囲/明細書といった特許出願書類を作成する場合においては、文章が綺麗であるとか接続詞が適切であることよりも、「何を書いて、何を書かないか」の方が重要であると思います。そして、書類が特許請求の範囲なのか/明細書なのかによって「書くか否か」の一応の指針はあると思っています。


TEXT BY SHIGERU KOBAYASHI


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特許出願書類のうち明細書、特許請求の範囲を作成する場合において、「この事項は記載しておくべきか否か?」と迷うことがあるかもしれません。知財実務の経験が豊かであるか否かに関わらずです。

むしろ、経験が豊富であって知識が多い方のほうが考慮することが多いために「記載すべきか否か?」を迷う機会は多いかもしれません。

例えば、明細書および特許請求の範囲を作成する場合においては

  • 実施可能要件
  • サポート要件
  • 明確性要件
  • 発明の要旨認定
  • 均等論
  • 意識的除外
  • ミーンズプラスファンクション対応の構造物
  • 全体として自然法則を利用するものとなっているか
  • ソフトウェア処理がハードウェア資源と協働しているか
  • その他、最高裁判例…

など数多の要素を考慮しながら作成しますので、【発明の詳細な説明】の欄の記載および【請求項】の記載において「この事項は記載しておくべきか、記載しないでおくべきか?」を迷うことがあると思います。

こういうときに必要なのが「道標」です。道標…惑い、進むべき道が分からなくなったときに、「こっちに進め」とシンプルかつ明確に進むべき方向を手引きしてくれるものです。道標があれば迷いなく進めます。

明細書および特許請求の範囲の作成において「この事項は記載しておくべきか否か」と迷ったときには、「明細書では書く!クレームでは書かない!」が1つの有用な道標になるのではないかと思っています。

その意味するところは、なんてことはなく、明細書は後で追記できないから書いておく!、クレームは文言が多いほど権利範囲を狭くするから書かない!というだけですが、シンプルだからこそ迷いが晴れると思います。

この「道標」は、小生が企業において研究部門から知財部門に異動した知財業界に入ったばかりの頃に、ひとの3倍くらいの経験をもった大先輩に教えてもらった道標です。あれから10年以上が経って、その間に小生自身も色々な知財実務経験をさせて頂いておりますが、年を追うごとに、このシンプルな「明細書では書く!クレームでは書かない!」という道標の価値に気付かされています。



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